後半では、1on1を効果的に実施するための「信頼関係づくり」「成長支援」に焦点をあて、具体的にどのようなツールを用いて1on1を行うとよいのか解説します。
面接者・被面接者の好みなどもあるので、一例として参考にしてください。また、事前に不安や悩みを知ることができるツールを導入すると、直接言いにくいことも把握できるため1on1の質が高まります。
部下/スタッフがオープンに話せるよう、上司/上位者からプライベートの話をすることをおすすめします。
方法として、まずは世間話から始めていき週末の出来事を聞きいた上で、その時にどのような感情を得たのか、なぜそれが好きなのかというような会話を心がけると良いでしょう。
部下/スタッフの心身の健康状態を知るために、体調と業務量の2つを確認します。
具体的にご説明すると、体調に関しては「寝付きや寝起きが適切か」「だるさや疲れがたまっていないか」などを聞くことをおすすめします。
業務量に関しては、残業の多さ(リモートワークで隠れ残業がないか)や業務量が適切か、というような質問をすると良いでしょう。
部下/スタッフの不安解消、前向きに業務に取り組んでもらうためのアプローチが必要です。
まず、マイナス面の最小化をするために不安やモチベーションが低下している要因を取り除きましょう。
それに加えて、プラスの面を最大化することが重要です。できたことを認識して評価したり、伸びしろや得意なことを聞き取ったりしましょう。
評価基準を設定し、累積の評価点を半期や年間評価に反映させていることが多いです。定量的な評価が行える設計にしておくことで、人によって評価にばらつきが生じることがなくなります。
成長記録が分かるような設計にしておくと、評価者が変わってもスムーズに引き継ぐことができます。
コンピテンシーモデルから能力開発項目や定義を選択し、1年後の目標を設定すると良いでしょう。
コンピテンシーモデルについては次の章で説明します。
「コンピテンシー」とは、職務や役割の中で優秀な成果を発揮する行動特性を指します。求められる成果は企業や業種によって異なるため、型はありません。
「コンピテンシーモデル」とは、実際の業務に使用するためにコンピテンシーをモデル化したものを指します。一般的には基礎能力と応用能力に分けることができます。
まずは月1回の1on1を定例化し、前述の信頼関係づくりからはじめてみましょう。
ご参考までに実施概要をご紹介します。
15分〜60分を目安に最低でも月に1度は1on1を実施しましょう。実施者は課長職以上が好ましいですが、不在の場合は課長未満の役員に実施してもらうと良いです。
1on1の実施に少し慣れてきたら、実施する前に1on1のアジェンダを共有したり、事前に現場スタッフの不安をヒアリングしておきましょう。そうすることで、より深い議論をすることができます。
現場スタッフによっては、面と向かって不安や悩みを打ち明けることができない方も大勢います。そのような現場スタッフには、アプリを通してスコアをつけてもらいましょう。
スタッフが回答したスコアをもとに悩みや不安を特定し、対応することをおすすめします。
現場スタッフの不安は「ビジョン」「キャリアアップ」「仕事内容」「報酬・福利」「労働環境」「人間関係」の6つに分類されます。
スタッフが抱えている不安や悩みを緩和するために適切な打ち手を講じる必要があります。
「人間関係」「労働環境」「報酬・福利」に不安や悩みを感じている場合は、配置転換やエリア移動、産業医面談などの対策が必要です。
「ビジョン」「キャリアアップ」「仕事内容」に不安や悩みを感じている場合は、キャリア面談やフォロー面談、セミナー・研修の実施などの対策が必要です。
・1on1を月に1度実施することを定着させる
・事前に1on1のアジェンダや部下/スタッフが抱えてえている不安を共有する
・対面では話にくいこともあるので、アプリを用いて事前にスコアをつけてもらう
BROSISでは毎月2回、わずか10秒でスタッフのコンディションを確認できます。
貴社スタッフのエンゲージメントを高める機能で、スタッフの定着やキャリアアップ実現もサポートします。